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エンジンオイルの種類の違いって何?粘度や規格マークの見方を解説

2020-08-26
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エンジンオイルの粘度

一般に使用されているエンジンオイルの粘度は○W-○○(例:5W-20、10W-40など)の形で表記されています。
これはSAE粘度分類(SAE Viscosity Grades)といって、SAE(米国自動車技術者協会)により定められた潤滑油の粘度の規格です。

エンジンオイルのSAE粘度

左側の数字をウィンターグレードといい、この数字が小さいほど低温時でもサラサラで、寒冷時の始動性に優れるオイルであることを表します。
また右側の数字が大きいほど粘り気があって高温に強く、スポーツ走行など過酷な使用条件下でも油膜切れを起こしにくいオイルといえます。

注意点として、エンジンオイルの粘度はエンジンや使用環境などにあわせて選ぶものであって、単純に数字の大小で性能の良し悪しが決まるものではありません。
基本的にはどの車にもメーカー推奨のエンジンオイル粘度というものがあり、車の取り扱い説明書で確認することができます。まずはこれを基準に粘度選びを考えることが大切です。

規格によるエンジンオイルの分類

API規格

API(エーピーアイ)規格とは、American Petroleum Institute(米国石油協会)が定める規格です。
基準を満たし、EOLCS(エンジンオイル認証システム)から認可を受けたエンジンオイルには下記のようなドーナツマークが表示されています。

中心にはオイルの粘度が書かれており、円周上部に書かれているアルファベットがAPI規格です。

API規格の左側のアルファベットが「S」であればガソリンエンジン用、「C」であればディーゼルエンジン用であることを示します。
また、右側のアルファベットはグレードを示し、アルファベットが進むほど性能が高いことを表します。

ILSAC規格

ILSAC(イルサック)規格とは、International Lubricant Standardization and Approval Committee(国際潤滑油規格諮問委員会)という日米の自動車工業会による共同組織が定めるエンジンオイルの規格です。
ILSAC規格について簡単にいえば、従来のAPI規格に省燃費性能の評価を加えたものです。

📝最新のAPI規格・ILSAC規格

現時点(2020年8月現在)での最新グレードは、2020年5月発効のAPI規格「SP」およびILSAC規格「GF-6(GF-6A、GF-6B)」です。

参考:Latest Oil Categories / API WEBサイト

GF-6AとGF-6B

近年では省燃費性能を高めるためエンジンオイルの低粘度化が進み、SAE粘度分類には更なる低粘度グレードのSAE16、12、8(SAE粘度 ○W-○○ の右側の数字)が加わりました。

これを受けて最新のILSAC規格のGF-6ではSAE16が追加されることになり、SAE30および20に関しては「GF-6A」、SAE16に関しては「GF-6B」と区別されます。

AやBをつけずに単にGF-6と表記されることも多いため、これらが混同されないように、GF-6Aにはスターバーストマークが、GF-6Bにはシールドマークが使用されています。

ベースオイルの種類

エンジンオイルの主原料である「ベースオイル」は製法によって3種類に分けられます。

化学合成油
化学的に合成され、不純物をほとんど含まない高品質かつ高性能なオイルです。

部分合成油
化学合成油と鉱物油をブレンドすることで、お互いのデメリットを補うようつくられたエンジンオイルです。

鉱物油
原油から精製された低コストなエンジンオイルです。

一般に、オイル性能・価格ともに化学合成油>部分合成油>鉱物油となります。
スポーツ走行をするなら化学合成油、街乗りメインなら鉱物油といったように目的にあわせて選んでみてください。

またベースオイルの種類にかかわらず、車のためには定期的なサイクルでオイル交換をすることが重要です。

まとめ

オイル交換はディーラーやカー用品店に任せているから、エンジンオイルの種類なんてあまり気にしたことがないという方も多いかもしれませんね。

でも実はエンジンオイルにはいろいろな種類があり、値段も高級なものから格安なものまでさまざまです。

エンジンオイルの缶をお手に取ってみる機会がありましたら、ぜひ規格マークやベースオイルの種類などをチェックしてみてください。