2025年以降、一部のETC車載器が使えなくなる可能性があることをご存知でしょうか?ETC(Electronic Toll Collection System)は日本の高速道路にとって欠かせない存在ですが、実は**古い規格のETC車載器(特にETC1.0)**には寿命があります。
本記事では、なぜ使えなくなるのか、対象となる機器の確認方法、今後の対応について分かりやすく解説します。
目次
ETCには「車載器」と「道路側の通信設備」があり、互いに暗号通信でやり取りしています。この通信には**セキュリティキー(暗号鍵)**が使われており、実はこのキーには有効期限があります。
日本のETCシステムは2001年から運用されていますが、ETC1.0規格の車載器は「最長20年」で有効期限が切れる仕様になっています。
暗号鍵の期限が切れると、料金所と正常に通信できなくなり、ETCゲートが開かなくなる恐れがあります。
2025年から2030年にかけて、2005年以前に製造されたETC1.0車載器が順次使用不可になると見込まれています。
2001~2007年ごろに取り付けたETC車載器
一度も交換していない車載器
点検・更新通知を受け取っていない機器
あなたの車載器が該当するかどうかは、車載器管理番号やメーカーの公式ページ、またはセットアップ店で確認できます。
項目 | ETC1.0 | ETC2.0 |
---|---|---|
利用開始 | 2001年〜 | 2015年〜 |
主な機能 | 高速料金決済 | 高速料金+ITS情報連携(渋滞回避・災害情報等) |
セキュリティ更新 | 不可(交換が必要) | 長期利用を前提(今後更新可能) |
ETC2.0は将来の車両インフラ連携を見据えた仕様で、国土交通省も新規導入の推奨をしています。
車載器に貼ってあるステッカーの製造年月を確認。
管理番号をメモし、メーカーの公式サイトまたは問い合わせ窓口で有効期限を確認。
心配な場合はカー用品店やディーラーで点検依頼を。
新しいETC2.0対応車載器の購入(約15,000〜30,000円程度)
セットアップ(車両登録)と取り付けを実施(別途費用)
国の補助金制度があれば利用(※実施時期に注意)
過去にはETC2.0新規導入に対する補助金制度(最大10,000円)などもありました。2025年時点でも、特定の時期や条件で補助が行われる可能性があります。最新情報は国土交通省や高速道路会社(NEXCO)公式サイトをチェックしてください。
ETCゲートが開かない
通行料金が一般料金に戻る
渋滞時に自動迂回ができない(ETC2.0非対応)
将来的に新システム(自動運転やスマートシティ連携)に対応できない
安全性・利便性の観点からも、早めの交換・確認が強く推奨されます。
今や当たり前になったETCですが、その中身は技術の進化とともに変化しています。古い車載器をそのまま使っている方は、「壊れてから」では遅いのです。
「まだ使えるから大丈夫」ではなく、**「もう交換の時期かもしれない」**という意識を持つことが重要です。